天空の縁側

天空の縁側

作曲家の目を通して、アートや日々の出来事などをあるがままに綴っていきます。

カルロスクライバー 「こうもり」

シュトラウス作曲 オペレッタの「こうもり」は、オペレッタなどは全く興味のなかった私にも、道を開いてくれた作品です。古くはグスタフ=マーラーが好んで演奏したようです。カラヤンベームなどの大御所もレパートリーの一つにしていたということです。

オペレッタに縁がなかった私の耳にも、この曲は良い!と思えます。今だに録音はもっておらず、もっぱらyoutubeで聴いていますが、飽きがこないです。曲が良ければ、演奏も自然と良くなるのです。たとえば、ボエームのアリア「私の名はミミ」は、曲の後押しがあるために、誰が歌っても一定以上の成果を得られます。何にしても、曲の選択は大切なのです。

私が最初に「こうもり序曲」を聴いたのは、ヤンソンスさんとベルリンフィルの演奏でした。次にクライバー氏の演奏を聴いて、あまりの違いに驚きました。ヤンソンスさんの演奏はオーソドックスで、曲そのものを忠実に聴かせる方法をとられておりました。

どこかで、クライバー若かりし頃の、こうもり序曲のリハーサルを見た記憶があります。彼は、コミカルな音楽になるよう、細かく注文をつけていました。しかし、なかなか彼の思うところを、即座に表現できる奏者はいなかったようです。

この楽曲だけではなく、彼の意図を理解し、完璧に表現できるオケは少なかったのではないか??と私は睨んでおります。こうもりといえば、ウィーンフィルですが・・・クライバー氏はバイエルン州立歌劇場のオーケストラと相性が良かったのではないかとみています。理由は、演奏を拝聴させていただいての感想です。こちらのオーケストラの技術水準は、東の果てにいる私でも、一聴して磨き抜かれていることがわかります。

昨年、ウィーンフィル室内楽を聴きにいってまいりました。その時にも、弦楽器は天下一品の演奏であるのに対して、木管金管には不満が残りました。クライバー氏存命の頃と、今とではだいぶ様相が違っているとは思いますが・・・youtubeで80年代の演奏を拝聴しても、何か違うものを感じるんですよね。

それは、ドイツ的な感覚とウィーンの古き良きものを守っていく感覚との違いかもしれません。クライバー氏もやりにくかったのではないか?と思いました。

 

この話題とは別のこと。本日ネットでみたところ、ウィーンフィルも人材不足で困っているようでして、若手育成のための少数精鋭アカデミーを発足させたとか?今年オーディションをするようです。世界各国の良き人材をとりたいのでしょうね?

日本人にもチャンスは大いにあるでしょう。昨年、ごまかしのきかない編成である室内楽ウィーンフィル)を聴かせていただいて、日本人の技術力の高さを知りました。ただし、独特の雰囲気、音楽性ではあちらに太刀打ちできないと思います。いっときは曲芸もいいけど、曲芸師が30代になったとき、どんな味わいを見せるか?なかなか難しいものです。

さて、カルロスクライバーのこうもり、DVDやCDが出ていますが、私は下のDVDを購入いたしました。残念ながら日本語訳のついたものは、現在発売されておらず、高値がついています。

 

 

 

下に、日本語訳つき「こうもり」全曲を貼っておきます。すばらしく練れた演奏です。クライバーとオケの息がぴったりで、言いたいことがはっきりわかります。歌より、音楽中心!バレエも楽しめますよ。


J. シュトラウス:こうもり (C. クライバー, 1986年)【全曲・日本語字幕】

 

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ショパンピアノソナタ3番2楽章〜概略と提示部 分析

1楽章につきましては、カテゴリーの、スピリチュアル的楽曲分析をごらんください。↓  ↓

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ショパンピアノ曲はきれいなだけで、大したことはないと評している方もおられます。確かに女子供を狙って書いたつまらない曲もあります。しかし、重要な曲は次の時代への橋渡しを感じさせる部分があると、私は思っています。

ピアノソナタ3番は、正統的書法にとらわれることなく、良い意味での「裏切り」があります。裏切りを見抜くことによって、曲の面白さに目覚めることができるかもしれません。楽曲分析は人それぞれの感じ方があって良いと思います。楽式論などの書籍を読んでもわからないし面白くない。この感情から、出発してはいかがでしょうか?独自に譜面を読み解くことによって、作曲や演奏にも大いなる進展があると思います。

 

概略

 2楽章はスケルツォ三部形式です。スケルツォとは諧謔的でユーモアに富む曲調を指します。曲調は明るく1楽章のような取っつきにくさはありません。しかし細部にはさまざまな工夫がこらされています。

この工夫は秘すれば花と言いましょうか?風姿花伝にも記されているとおり、人の目に触れず、予期しない感動を起こさせる手段がそこここに見られるということです。隠された花を見るには、他人の演奏を聴き流すだけではなく、自力で譜面をみることです。

構成は頭にも書きましたように、ABAの三部形式です。

A(提示部)はEs-dur、  B(対照 トリオ)は三度転調(エンハーモニック転調)して1楽章の再現部と同じくH-durに、再びA(再現部)に戻って終わります。今回は提示部を分析いたします。

提示部1

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提示部の始まり〜譜例31〜


 

音源:12'30"~

以下8個の材料が提示されます。

  1. 半音階進行 譜例ではラベンダー色で囲んだ部分です。
  2. 5度 4度  1楽章と同様、スピリチュアル的見地にたてば、孤独と亡き父の暗示。譜例では赤(5度)ピンク(4度)で囲んだ部分です。
  3. 1オクターブ  譜例では青色の部分です。
  4. 付点のリズム  譜例では紫色で囲んでいます。拡大、縮小など。八分音符と絡み、味な展開が行われます。
  5. f:id:mizuki-shiro:20190131160901j:plainf:id:mizuki-shiro:20190131160914j:plainf:id:mizuki-shiro:20190131160914j:plain  譜例では青い丸で囲んであります提示部コーダ、トリオでは重要な役割を果たすリズムです。
  6. 1楽章1テーマ頭、16分音符(G-Fis-D-H)から派生した音型   譜例では緑色で囲んであります。
  7. 1小節目のオレンジで囲んだ音。あらゆる部分に出てきますが、特にコーダでは強い印象を与えます。
  8. シンコペーション 譜例では左手、赤丸で囲んだ5度の音型です。曲中のあらゆる部分に出てきます。

 

提示部2

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つなぎと展開〜譜例32〜

音源:12'42"~

提示部2へのつなぎでは、青色で囲んだBの音が飛び跳ねます。連打、オクターブ、2オクターブ、緑色で囲んだ6.の音型とともに、弾け飛んで消えていきます。そして、g-moll(平行調に転調し、新たなステージが始まります。

ラベンダー色で囲んだ部分、単なる半音の連なりにみえるでしょうか?右手の音型を左手で拡大して受け止めています。不安、メランコリックな雰囲気が強調されているように感じます。

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調性の変化〜譜例33〜

音源:12'47"~

提示部2は展開部分ですので、調性が頻繁に変化します。

g-mollから始まり、f-mollからc-moll、そして再びEs-durに戻り、提示部3へと移っていきます。 和声的には譜例の5小節目が共通和音による転調、つまりf-mollのⅠ度をc-mollのⅣ度と読みかえること。譜例8小節目には、c-mollの半終止(Ⅴ度)、次の9小節目にはEs-durの属七の和音を置いて、半音階的転調をとっています。

特筆すべきは、c-mollに入ってから2小節目、緑色で囲んだ部分です。拍子記号は3/4ですが、2/4のフレーズが約3回繰り返されています。これは譜例32で記しましたBの音の跳躍を発展させたものと考えられます。譜例32ではBの音を、譜例33では音型を意識、繰り返して拍点をずらすことにより切れ目のないフレーズ感を表出させたかったのでしょう。

この観念は次の提示部3のコーダで強調されます。

8小節目の右手、譜例では青い四角形で囲んだ音、オクターブを置くことにより、提示部3の始まりを強調しているのではないでしょうか?

提示部3

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提示部コーダ〜譜例34〜

音源:12'50"~

 提示部3は提示部1の再現(繰り返し)です。

音源:12'59"~

コーダ(譜例34)では提示部2に記した拍点の移動がより顕著となります。3/4の拍子感は完全に崩れ去り、音型のうねりが続きます。加えて、提示部1で提示された材料が有機的につながり、強い印象を与えます。

コーダの材料ですが・・・

提示部1で指摘した材料のうち、1.の半音階は譜例34の2段目、ラベンダー色で囲んだ部分。3.のオクターブについては、一目瞭然。コーダ全体がオクターブで書かれております。

4.の付点リズムについては、2段目からのEsの連続の中にあります。譜例では、赤い丸で囲んだ部分です。Esの連続の間に音が入っていますが、これらを抜いてみてください。付点のリズムを刻んでいることがわかるでしょう。

3段目の最初は2段目の付点リズムの拡大とみました。

5.のリズムは最後2小節に現れ、逆行のリズムを形成して、提示部を閉じます。Esの音を長く伸ばしているのは、次の部分、トリオの最初の音Disにスムーズにつなげる準備です。三度転調ではありますが、Esをエンハーモニックに読み替えて、遠隔調のH-durにつなぐのです。

6.の音型は譜例1段目に現れて、5回繰り返されております。5という数字はスピリチュアル的にみれば、孤独や自我の葛藤などを暗示します。このときショパンは父を失っただけではなく、自身も重い肺病にかかっていたようです。彼が5という数字を意識していたかどうかはわかりませんが、分析によって同一の数字が現れるのは不思議であり、怖さをも感じます。

7.の音型はEsの連打、半音階と共に姿を表します。

2段目左手(オクターブなので右手も同様)、黄緑色で囲んだ音(Es-D-F-Es)は2段目3小節目、4小節目で拡大(B-A-C-B)されています。このような拡大縮小の他に、あるモティーフを別のモティーフに言い換えて、意味を繋げる方法など、ショパンの過去の書法にはあまりみられなかった部分もあります。人生が大きく変容するような出来事が彼の創作にも影響を与えたのかもしれません。

音源

カツァリス 氏の演奏です。1楽章終わりが少し入っています。


Cyprien Katsaris - Chopin: Piano Sonata No. 3 in B minor, Op. 58

 

次回は2楽章のトリオ(中間部分)です。

↓  ↓

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音楽活動の傍ら

音楽活動だけで生活していくのは至難の技ですよね?1990年代ならば、音楽のみでやっていける方もたくさんいたと思います。しかし、現在は昔ほど、音楽が切望されない時代になってしまいました。加えて、音楽は無料という感覚も生まれつつあります。全部ではありませんが・・・(youtubeなどは、無料にみえて無料ではありません。)

どんどん、音楽活動はやりにくくなっていると思います。それでも好きだから続けたいと思う方はたくさんおられることでしょう。過去に、blogで音楽活動での収支報告をされているのを拝見したことがあります。

しかし・・・どう頑張っても先はなく、年老いたときに、どうやって生活していくのだろう?と見ず知らずの私が心配したほどです。音楽は趣味にしておいて、本業でやっていくほうが、良いのにと思ったんですよね。

それはともかくとして、音楽活動の傍ら、副業をするには何がよいか?私自身の経験から、真実の一部をお伝えできればと思い、記事にしてみました。

アフィリエイト

これは私も経験があります。私がサイトを立ち上げたのではなく、あるエンジニアの依頼で外注として文章を書いておりました。エンジニアの方は、本業の補助としてアフィリエイトサイトを立ち上げたと、後になって知りました。

専門家の仕事ですから、数万円からのスタートでした。その時身につけたこと。アフィリエイト文章の長さではなく、質であること。1300文字くらいからで良いので、内容が濃く、相手が読みたくなるような文章を書けと言われておりました。長いだけで、同じことをだらだらと繰り返しているような文章はグーグルから評価を受けず、検索順位が上がらないと言われ、最初のうちは添削をしてもらいながら、文章を書きました。

他には、ジャンルを選ぶこと。このエンジニアの方は、西洋占術を選んでました。電話占いのランキングを最後にくっつけたのは、収益率が高かったからでしょうね。

また、ネットに出す時期が大切。いつでも新しい情報を出せばよいものではないらしいです。そのあたり分析をして、慎重にやっておられました。

他にはSNSで広げたり、hatenaブックマーク、掲示板での宣伝など、ありとあらゆることをやっておられました。

3ヶ月ほどでグーグルの検索順位1位を何度もとれるほどになり、収益も上がってきました。しかし、収益を維持することが難しく、こちらの取り分も一定しなかったです。そうこうしているうちに、私も時間がなくなり、撤退してしまいましたが・・・

結論として、素人がやるには難しいです。また全力でかからなくてはならず、音楽活動のための体力をもぎとられます。音楽の場合、体力一本勝負のところがありますので、他でエネルギーをむしりとられていては、何のための副業なのかわかりません。特に音楽blogは収益化が難しそうですので、欲を出さずにのんびりやることが良いでしょう。

FX

FXを副業にあげておられる方が多いので、一言書いておきます。絶対にやめた方が良いです!私の父は個人投資家で、かなり成功した部類だと思いますが、FXには手を出しておりませんでした。

私は自分の目で確かめたいと思い、デモをやってみましたが、デモの段階でやめました。もし挑戦したいならば、一度デモアプリを落としてやってみてください。オススメは「デモトレ」です。

音楽活動をするための副業が、副業でなくなってしまいます。投資ではなく、投機だと書いている方もいます。下記の本を熟読してください。経済だけではなく、その他の世界にも共通項があり、大いに勉強になります!

 

知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生

知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生

 

 副業として多少は安定しているのは、ご自分の得意な音楽を教えることでしょう。教えることを専門にする方、演奏や創作を専門にする方では、やり方が違うと思います。この件については、次回に回します。

 

カルロスクライバー

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カルロスクライバー wikipediaより

私はカルロスクライバー のファンです。亡くなられて14年ほど経つのですが、音楽愛好家だけではなく、プロの指揮者でも彼のファンは多いようです。

下記のリンクはBBCのサイトです。100名の指揮者に、影響を受けた指揮者を3名あげてもらっています。ただし、これは2011年4月の統計ですので、今は亡きアーノンクールさんなども答えています。日本人指揮者は鈴木雅明さん(バッハコレギウムで有名)尾高忠明さんが答えておられます。なんで小沢さんやもっと若手の方が入っていないのか?と思ったのですが・・

日本人の2名の指揮者は、音楽を学問として演奏なさる側面もあるんでしょうね。それが悪いわけではありませんが、私とは趣味が違います。いやではないんですが、同じお金を払うならば面白い人、また中途半端ではない音楽に触れたいと思う人なんです。わがままで申し訳ありません・・・

www.classical-music.com

 下記のリンクは上の結果です。2017年に2011年のアンケートを集計したんですね。1位はカルロスクライバー氏でした。統計をみていて面白かったのは、マリスヤンソンスさん、ベネズエラの若手ドゥダメルさん、ロシアのテミルカーノフさんなどなど、似ても似つかない音楽性の持ち主がクライバー氏に投票していることです。アーノンクール氏は、カルロスのお父さま、エーリッヒクライバーに一票を投じている・・・わかるような気がします。

エーリッヒクライバー氏の演奏を拝聴しましたが、バランスがとれていて音楽の隅々まで研究し尽くされていると感じました。息子のカルロスより守備範囲が広いこと。緻密であること。しかし、エーリッヒ氏にはない魅力がカルロスクライバー にはあると思っています。

www.classical-music.com

 私、カルロスクライバー がミラノのスカラ座とともに来日した折、プッチーニの「ボエーム」を拝聴したことがございます。その時の音楽があまりに素晴らしくて、レコードを求めて探し回りました。その頃私はクライバー氏の録音が少ないことを知らず、骨折り損のくたびれ儲けとなりました。仕方なく、カラヤンのCDを買って聴きましたが、クライバー氏の演奏とは全く別物でがっかりした覚えがあります。

聴くだけではあきたらず、ボーカルスコアを手に入れて、ピアノで弾いては楽しんでいました。オペラには興味がなかった私ですが、本物を拝見して素晴らしさを理解できたということでしょうか?しかしその後は、音楽のお仕事が忙しくなり、西洋クラシックを聴く暇がなくなりました。

数年前、再びクライバー氏の演奏をyoutubeで聴き、かつての感動が蘇るのを感じました。クライバー氏と共に仕事をされていたという、ミュンヘン歌劇場(バイエルン州立歌劇場)の元合唱団員の方(日本人で定年退職された 芸大の先輩)のサイトを見つけました。彼は、クライバー氏は独特の音楽をもっており、大変な才能の持ち主であった。このようなすごい人と共に仕事ができたことは誇りだ」と書かれておりました。亡くなられた年の歌劇場での追悼演奏会のレポートを拝見して、何とも言えない感動を覚えました。

その後は、ありとあらゆるCDやDVDを集めては、聴きあさってております。クライバー氏にまつわるサイトもほとんどブックマークしています。

彼はスロベニアの別荘で一人で亡くなられました。クライバーゆかりの土地ということで、スロベニアにも興味をもち、クライバー記念館の場所(墓の隣)は、グーグルマップに保存いたしました。いつかはこの地を訪れたいと思っています。

私は人にはほとんど執着しません。ましてや誰かのファンになることなど、過去にはありませんでした。良いと思うことはあっても、録音などのコレクションをすることはなかったです。私はもしかしたら、人間そのものより、その人が作り出したモノに執着するタイプなのかもしれません。

1記事だけでは伝えたいことが多すぎて収まりません。彼の演奏や音楽に感じるところ、スロベニアについて、継続して書いていきたいと思っています。

下の動画は、スカラ座日本公演のもの。拝見しながら、カルロスクライバー は歌に引きずられるのではなく、オーケストラの一部として歌を捉えていたのだなぁと思いました。とても素晴らしい舞台なので、ご興味のある方、ごらんくださいませ。

 


カルロス・クライバーの「ラ・ボエーム」1981 in 東京①

 


カルロス・クライバーの「ラ・ボエーム」1981 in 東京②

 

高齢者施設は人間関係が窮屈

先週も母の見舞いに行ってきました。櫛と女性用電気シェーバーが必要と言われて、持参しました。購入したのは、私が以前から愛用しているもの。

 ↓  ↓  ↓

 これは、高齢者だけではなく、肌の弱い女性にも向いていると思いますし、危なくありません。不器用な方にも眉の手入れが簡単にできることが良いです。目と目の間もすんなりと剃ることができます。

母は、入所前から顔を何年も剃っていなかったように思います。顎には長いヒゲが生えて、顔も産毛だらけです。来月は美容師さんがきてくださるので、お手入れしてもらうのかもしれませんね。

ところで・・・

90代にもなれば、生きているだけでも不思議だと言われます。医師には、寝たきりになれば、長生きだとも言われてました。母が入所した昨年9月の時点では、あと5年は生きるだろうとのことでした。

医師の判断はほぼ正確なのだと、私は思っています。

父が亡くなる直前は1ヶ月ほど寝たきりになりました。そのときも、あと2週間しか生きられないと医師に告げられましたところ、きっちり2週間で亡くなってしまいました。

母の命があと5年弱であるとして、ずっと今の施設に入所していることができるだろうか?と思うことがあります。

母はラジオを聞くのが唯一の楽しみです。先日、一人の介護士さんに、突然ラジオを消されてしまったそうです。部屋を閉めて、それほど大きくない音で鳴らしているのですが、よその部屋に音が漏れたのでしょうか?

母は「戦争中よりひどい」と言っておりました。「好きなことは何もできない、こんなところにいたいわけではないから、出て行く」介護士さんに抗議したようです。介護付き老人ホームでは、規則正しい生活はできるのですが、気持ちのゆとりがありません。

レクリエーションなどもありますが、母の好みのものは少ないようです。他の施設では、音大生のボランティアがコンサートにきてくれたり、楽しそうなことがありますのに、母の施設ではないのですよね。代わりに、ラジオを聴いているわけです。

母をみていまして、私が高齢になったときにはできるだけ施設には入りたくないと思いました。規則に縛られて窮屈な思いをするだけではなく、施設の人間関係に気遣って遠慮して接する。何のためにお金を払っているのか?ということになります。多少、義務教育に似ていると思いました。

私は死ぬ前に、再び義務教育と同じような枠組みに入れられるのは、我慢できません!このように考えると、母が気の毒になってきました。せめて、食べるものくらいはと思い、施設では絶対に出ることのない、質の高い食べ物を差し入れています。

ある意味、母が施設入所したことで、現実をみられたことは良かったのかもしれません。そしてできることなら、最後はもう少し自由な環境に連れてきてあげたいと、思うようになりました。

 

心には理屈がない

 

あるがままの世界―仏教と森田療法

あるがままの世界―仏教と森田療法

 

 心というものは、外界とは違う論理が支配しています。心の問題、自分の悩み苦しみなどを、他人から教わって解決しようと思っても無駄なのです。それぞれの心があり、しかも心はつかみどころがなく、理屈に添いません。決まりに当てはまらないのが心ですから、「こうあるべきだ」とか「このようにやるべきだ」と思うのは、骨折り損のくたびれ儲けというものなのです。

生きる意味を求めて四苦八苦したとしても、わかりません。生きることに意味づけしようとしても、筋が通りません。

巷のセミナー開催のお知らせには、生き方を変えてみませんか?と記されていることが多いです。多くは主催者の人生をさらけ出し、私も昔は大変でしたが、〇〇という方法を使ったら人生変わりました 収入もうなぎのぼりになり、人間関係も変わり、やること全てが幸運の塊のようになりました。

などと、良いことばかりが書かれています。出版などされていると信じこんでしまう方もいるのでしょう。

私は、心は外界とは違う論理が支配しているのだから、他人(外界)の指図で変わるわけはないと思います。たとえ一時的に変わったように思われても、ゆくゆくはご自身独自の心に戻っていくのだと思います。

また最近は「好きなことをやって生きよう」と語られることが多くなったように思います好きなことをやってお金を稼ぎましょう、そのほうが楽に生きられます。などという触れ込みを信じて、独立する方もいるようですね。しかし、好きなこと=向いていることではないのです。

好きなことが見つからず悩む方も多いようです。私も、何をやればいいのかわからず、ここ8年ほどはふらふらしていたクチです。その間、他人の勧めに気をとられ、悩みの種となったこともあります。結局他人がすすめるものはうまく進まず、骨折り損のくたびれ儲けに終わってしまいました。

西洋占術は他人の勧めであり、自分の本心から出たことではありません。心のどこかに引っかかるものがあり、勧めた方とも昨年の今頃、喧嘩別れのような状態になりました。今は全くおつきあいもなくなってしまいました。

最終的には父の死が転機となり、再び創作へと舵取りを変えました。このとき、全てがおさまったと感じました。

他人が一生懸命勧めてくるものは、大概自分(勧めてくる本人)のためであるのです。営業をかけてくるといったらわかりやすいでしょうか?本当に悩んでいる人のために何かをやるなら、お金は必要ないはずです。

「好きなことがみつからない」と悩んでいる方は、さりげない幸せに満ち溢れている方だと、私は思います。お友達とお茶を飲んだり、食事をしたり、一人でのんびりとお茶を飲みながら和菓子をいただく生活、それがあなたの好きなことなのです。

そんな平和な時間を、他人のために捧げる必要はありません。

好きなことで生きている方は、多少損をしても、儲からなくてもやってしまいます。他人の目からみれば難儀なことでも、ご本人にとってはその道のりが味わい深いのです。

いずれにしても、つかみどころのない心という相手には逆らわず、放っておくのがよいでしょう。悩みや苦しみは今目の前にあることを片付けていくことによって、いつの間にか流れされていってしまいます。

あのとき、あんなに苦しかったのに、乗り越えたなぁと思える時がきっとやってきます。これは私の実体験に基づくものでして、少しでも参考にしていただければ幸いです。

 

ショパンピアノソナタ3番1楽章〜再現部 分析

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 前回は展開部(上記のリンク)まで分析いたしました。今回はいよいよ1楽章の終わり、再現部の分析です。提示部の再現ですので、曲そのものについてはほとんど書くことはありません。

そのため今回は、ピアニストでもあり作曲家でもあったショパンの感覚を、カツァリス氏の公開レッスンを紹介しつつ、記していきます。

 

再現部概略

再現部はH-durに転調し、2テーマから始まります。

調性は、原調のh-mollに戻ることなく、H-durのまま終わります。これは2楽章(Es--dur)への接続をスムーズにする理由もあると思います。

再現部はじまり

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再現部はじまり〜譜例27〜

音源:6’13”〜

古典的なソナタ形式の再現部においては、1テーマから再現されることがほとんどですが、この楽曲は2テーマから再現されております。理由は展開部の最後の部分で、提示部の一部(1テーマから2テーマまでのつなぎの一部)を出しているため、必然的に2テーマを出すことになったのでしょう。

同主調へ転調しています。これは2楽章以降のことも考えて書いたか、2楽章以降を書いてから、手直し(原調のままではなく、同主調へ転調させたか)したか、どちらかの理由によるものと思われます。

2楽章はEs-dur  3楽章はH-dur、4楽章はh-moll。2楽章のEs-durは1楽章の再現部H-durの長3度上。H-durの第三音とEs-durの主音をエンハーモニックでつないで、2楽章への架け橋としたのでしょう。

作曲は、最初から最後まで順に書いていくことは少なく、展開部から書き始め、テーマを後からくっつけて、辻褄合わせをすることもあります。ショパンはピアニストでしたから弾きながら作り、手直しを繰り返して、まとめていったのだと思います。

1楽章コーダ

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1楽章のコーダ〜譜例28〜

音源:8’30”〜

1楽章の終結部分の冒頭です。

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1楽章最終部分〜譜例29〜

上記の和声進行、赤丸がついている部分、教科書的には不自然な扱いがされております。Ⅴ7の第七音であるEが2度下降し、根音が3度下降、この二つが同時に起きることは良くないと(やってはいけない!)習った覚えのある方も多いと思います。しかし、ショパンはやっております。

次の譜例はこの部分を、教科書通りに手直ししたものです。

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1楽章最終部分手直し〜譜例30〜

 いかがでしょうか?不恰好ではなくなっていますが、響き的に面白みがありません。

譜例29ではH-durのⅠの第三音であるdisを重ねることによって、2楽章の調性Es-durの主音を強調したのではないでしょうか?これは2楽章の分析を読んでいただければ合点がいくと思います。

カツァリス氏 レッスン


Katsaris Chopin Masterclass Vol.13 Sonata No.3 1st Mov

 ピアニストのカツァリス氏のレッスンです。理屈と表現が一致しており、無駄がありません。言葉に詩的表現が多く、レッスンではあるのですが日常を忘れさせてくれます。

ショパンが同じ曲を何回も弾く時は、いつも違った弾き方をしたのです。同じパッセージが何回も出てくるときは、ダイナミックやキャラクターにいろいろ変化をつけました。ショパンの演奏を聴いた人々の証言から、彼の考えをうかがうことができるのです。」

8’23”あたり、2テーマへのつなぎの部分では、同じモティーフが5回繰り返されます。こちらでは

 

「2回目はこのように弾くといいですよ」

と、内声を意識し、強調する音に変化をつけることを伝えておられます。ショパンの時代の再現とでもいいましょうか?作曲家の意図(同じパッセージが何度も出てくる時は変化をつける)に忠実にレッスンをされることは、素晴らしい。

 

地球の大気の中を突き抜ける太陽光線をイメージして それは大気を通過するときに、少し変調をきたすので

8’58”あたり、2テーマ直前の変化音が続く部分です。変化音を意識することでしょうか?

「スカイブルーの主題に導いてくれるのです。ニ長調はスカイブルー これは太陽がいっぱいな主題です

これは2テーマのこと。D-durの色合いについて語っておられます。

これはヘ長調と似ていて、ヘ長調は緑なのです。 田園交響楽を思い浮かべてください。ここはニ長調でスカイブルーで、太陽がいっぱいな調性で、力を抜いて楽にして、もう少し柔軟に。くつろぎとおおらかさがともにあるのです。

F-durは管楽器系、D-durは弦楽器系の響きがしますね。

20’56”の展開部の導入部分については

このパッセージは男たちが議論しています。自己中心的な議論なのです。すると一人がこう言います。「こうであるべきでしょう」すると別の男が応答します。 「いや 違う!」「 私はむしろこうあるべきだと思う。」「いや 違う。あなたは間違っている。」これは戦いです。闘争的議論です。男たち一人一人の自己主張です

 と。音楽的理屈は、私が展開部のところで色分けして書きましたが、カツァリス 氏はストーリー展開されております。

他にもインスピレーションに富んだ表現がたくさんでてきます。日本のピアノの先生のレッスンとは大幅に違うと感じるのは、私だけでしょうか?

 

さて、リパッティ の音源を貼った理由は、彼が正統的な作曲家でもあったからです。共感を覚えたので、張らせていただきました。

 音源

次回からは2楽章に入ります。

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