天空の縁側

天空の縁側

作曲家の目を通して、アートや日々の出来事などをあるがままに綴っていきます。

薄利多売、厚利少売

 最近CDを売却する機会がございました。一枚は昔付き合いのあった美人演奏家のCD。中古と言いましても、1度拝聴させていただいただけで、傷も汚れもございません。定価は約¥2000でした。

 

内容的には有名曲をイージーリスニング風にアレンジしてあるもの。映画音楽やクラシックの名曲ですね。これらをベースとピアノとパーカッションをバックに、フルートで演奏しております。

 

ちなみにこの方はメジャーレーベルで長く活動されておりました。全国でお名前が知られているかどうかはわかりませんが、横浜、湘南地方では有名で、コンサートをやれば黒字になることも多かったと伺っておりました。(過去形であるのは、現在はわからないからです。)

 

メジャーレーベルでやれていたということは、お客さんをもっているということだと思います。メジャーでやるには、癖がなく一般受けして、しかも美形の方が向いているのではないでしょうか?彼女はこの3点にあてはまっていました。

 

もう一枚は、ゲームミュージックのCD。こちらは全くの新品で、定価は¥3000でした。このCDは私も一枚噛んでおりましたが、今は制作会社とのつきあいがなくなってしまい、タンスの奥に眠っておりました。

 

このゲーム会社は極小でマイナーです。一般の方はまずプレイしないような、いわゆるマニア向けのゲームを作り続けていました。根強いファンがついていて、イベントをやれば全国津々浦々から、駆けつける賑わいであったことを、覚えています。

 

ゲームがゲームですので、毒々しい音楽を求められたことを覚えています。私にとっては困難を極める仕事であったことを忘れることができません。

 

さて、この二枚のCD。どちらが高値をつけ、すんなり売却できたでしょうか?ご想像どおり、ゲームミュージックのほうが超高値をつけて売却でき、美人演奏家のCDは値下げし尽くしても、今だに売却できておりません。

 

美人演奏家のCDは広く一般を対象としているために、音楽に詳しくなくても多少は手にとってもらえるような構成になっています。ただ、私が拝聴したところ、クラシックの大衆化を狙いすぎているのか、無理なアレンジが多いように思いました。

 

西洋クラシックは難しいから、砕けたスタイルにしたら売れるのではないか?とでも思われたのでしょうか?

 

ちなみに私は最初500円に設定しましたが、無理そうなので現在は300円に設定しております。それでも全く動きがございません。このCD、アマゾンやヤフオクに中古がたくさん出ていますが、あまり動いておりません。売却自体難しいCDなのかもしれません。

 

ゲームミュージックのCDの売却価格は、¥30000強でございました。ヤフオク、メルカリでも¥40000近い値段で取引されておりました。マニア向けで、希少価値のある物は大変強いと感じました。

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上記を音楽のお仕事にあてはめてみましても、同じようなことが言えると思います。薄利多売(一般向け)は大手向き、厚利少売(マニア)は個人の商売向きと考えます。

 

個人の場合、客を増やすには限界があると思います。たとえば100人のライトなファンがいたとして、その中の数人(場合によっては1〜2人)が根強いファンになってくれるのです。その根強いファンに向けて、あなたでなければ作れない音楽を、ある程度高額な値段で(値段以上の内容)提供することが音楽で生きていく秘訣ではないかと思います。

 

これは、絵でも他のアートでも同じことが言えるのではないかと、考えます。

 

今年、ある個人の方から編曲を依頼されまして、値段交渉をいたしました。私が思っている値段では、(個人の方なので)高いのではないかと、値段を低めに設定して交渉しましたところ、「もう少し払っても良いから、ベストな物を作ってほしい」とおっしゃいました。

 

とてもありがたく受け止めました。

 

このお仕事により、割の合わない仕事を請けてはストレスを溜めていた自分が、間違っていたことに気づきました。加えてNOと言えない自分にも大いに落ち度があったことを反省いたしました。

 

このような経験と最近始めたマーケティングの勉強により、多少は賢くなったように思います。

 

くどいようですが・・・個人で音楽活動をやるには、安売りしては良いことはありません。そのためにはクオリティ重視であることはもとより、どこにもない個性が求められます。少数でも良いので、あなたをずっと応援してくださる人を楽しませることが、成功への近道だと思います。