天空の縁側

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作曲家の目を通して、アートや日々の出来事などをあるがままに綴っていきます。

音楽書を読めば作曲できるのか?

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よくある質問の一つに、作曲を勉強するのに、どのような書籍を読めば良いですか?というものがあります。おそらく理論書をいくつか読めば、作曲ができるようになると考えておられるのでしょう。

音楽理論の本を読むことも悪くはありませんが、正しい使い方をする必要があります。音楽は学問ではありませんので、学校のお勉強のように本を読んだとしても、現実の音楽には役立たないことが多いです。

音楽理論の勉強と並行して他人の曲をできるだけ多く聴き、真似ることが、作曲を生業としていく近道だと思います。他人の曲を多く知ることは、引き出しを広げ、ご自身の音楽性にプラスとなります。

よく、思い浮かぶフレーズが人の曲に酷似しているとか、自分の音楽が作れないと悩む方がいます。曲を聴きこまなければ、似ることもありません。似ているのは、研究の成果と言えましょう。悪いことではありません。

真似を繰り返しているうちにいつしかこなれて、ご自身の新たな持ち物になります。最初から自分の持ち物のみを活用して、創作できる人はいません!ベートーベンでも、ショパンでも、真似から(何かの曲に酷似)入って、独自の音楽を作り出しています。ということは・・・天才という言葉は、注意深く使わなければいけないですね!

 ただし、土台を固めることは絶対に必要です。

 

読譜

譜面を正確に読む力です。

音符を拾うだけではなく、現実にどのような音が鳴り、和声が置かれているか?即座に読み取る力です。単旋律(メロディ)のみで完結することは、現在では100%ありませんので、鍵盤楽器が必要になります。

ピアノ でも電子楽器(デジタルピアノ やシンセなど)でもよろしいでしょう。音を出して何度も確かめることにより、いつかは譜面だけで(楽器を触らなくても)音楽がわかるようになります。耳を鍛え、身体に染み込ませることが重要なのです。

楽典

音楽の文法を知る必要があります。読譜と並行して勉強していくことが良いでしょう。これも読譜の訓練と同じく、本にしがみつくのではなく、楽器で音を出すこと、歌うことによって確かな記憶となります。音階、和音、移調には力を入れることをお勧めします。

和声 対位法など

書籍はたくさん出ておりますが、独学では無理があります。楽器のように初心者だからといって、一から十まで教わることはできませんが、本質を教わるには、師が必要です。

和声の初級〜中級は、移調の能力です。課題を全調で弾けるようにする(覚える)ことが鍛えの秘訣です。脳と身体をつなぎ合わせる作業が必要なのです。

和声感覚を身体に染み込ませるとも言えましょう。それは対位法とて同じです。模倣などといって、五線の上を真っ黒に埋め尽くしていても、音楽にはなっていきません。

何かが違う・・・と感じる力=直観力は繰り返しによって生まれるものだと思います。これも現実の音を重視して鍛えていくことが必要。ご自身の能力アップと並行して、他人の曲、演奏の内面的な部分も、理解できるようなります。音楽評論についての良し悪し、他人の音楽理解度の足らないところも見抜くことができるでしょう。

上記のような訓練や勉強を重ねるうちに、理屈と感覚が一体化し、思うような曲を書くことができるようになるのだと、私は思っています。

フンメル「ピアノコンチェルト」

下記2つのコンチェルトは、フンメル作曲のピアノコンチェルトです。お聴きの通り、古典からロマン派の時代へのつなぎ役を果たしたと言える作品です。フンメルは当時、ベートーベンと同レベルの人気がありました。モーツアルトの弟子でもあったようです。リスト、ショパンも同時期の人。

特にフンメル3番は、以前からショパンのピアノコンチェルトe-mollにに酷似していると言われておりました。確かにピアノ音型、フレーズの収め方や、ピアノ入り具合は似ていますが、何かが違います。ショパンのコンチェルトには、和声やメロディの流れ方に、民族特有の血のようなものを感じます。(ちなみにe-mollのコンチェルトはショパン20歳の時の作品。真似ではあっても、完成度は高いと思います。)

ショパンのような大家であっても、最初は真似から入ったという、わかりやすい例です。確認しながらお聴きくださいませ。

 

↓ フンメル作曲 「ピアノ コンチェルト3番」


Johann Nepomuk Hummel: Piano Concerto No. 3 in B minor, Op 89

 

フンメル作曲「ピアノ コンチェルト2番」


Hummel Piano Concerto No 2 in A Minor

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