天空の縁側

天空の縁側

作曲家の目を通して、アートや日々の出来事などをあるがままに綴っていきます。

シプリアン・カツァリス氏、シルヴェストロフ氏などなど

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私は数年前までカツァリス 氏のことは存じ上げませんでした。そのため、NHK教育ショパンの番組もみておりません。この番組がいつ頃の放送なのかは、わかりませんけれど、うちは2011年の大震災の後からテレビを置かなくなってしまいましたので、見るチャンスを逃してしまったのかもしれません。

カツァリス 氏のことを知ったのは、芸大の同級生の話からです。彼はピアノ が好きで、少しでも気になるピアニストがいれば、生演奏を聴きに行っていました。彼は以前はキーシンのことばかり話していましたが、テクニック面で好きではなくなったとか?その後、カツァリス 氏のピアノを聴いて、気に入ったようです。彼のその当時の感覚とカツァリス 氏の演奏がマッチしたのでしょうね。

当時のお話が耳に残っていて、たまたまyoutubeで演奏を聴いて興味をもち、コンサートに足を運んだのが昨年。私は詳細については昨年まで知りませんでした。凝った(珍しい)選曲をするピアニストだと知ったのは、最近のことです。

私の場合は、コンサートでは少しでも面白いことがないか?自分にプラスになることはないか?と探す癖があります。ですから、あまり他のピアニストが取り上げないような曲目、知らない曲の演奏会に足を運ぶのです。周知の曲でも、独自の解釈で演奏する方でなければ興味はありません。

無名でも有名でも、関係ないのです。最近は、小さな招聘元がとても素晴らしい人材を呼んでくれています。たとえば武蔵野文化事業団。昨年は、シルヴェストロフという作曲家を知りました。私が知る少し前に(2017年)来日していたようでして、残念な思いをしました。

www.musashino-culture.or.jp

 

80代だし、次はないかもしれません。興味のある作家なので、是非とも聴きたかったのですが・・・サイン会は長蛇の列だったようでしてみなさん情報をつかむのが早いのですね〜

カツァリス 氏の招聘元も小規模のようですが、今後もお願いします。人がやっていないことを、どんどんやってほしいですね。まだ60代ですし、これからではないでしょうか?

ところで・・・

昨年のカツァリス 氏の演奏会は、オールフレンチプログラムでした。バロック時代から近代に至るまでのフランスの「踊り」の曲が披露されておりました。マーチ、パヴァーヌ、シシリエンヌ、バレエ音楽を、異なる作曲家の作品を紹介する形で、演奏されていました。

バロック時代の曲では、調弦?調整に非常に時間をかけておられて、その結果、フォルテピアノ+チェンバロのような音色であったことを思い出します。休憩時間には、後半のビゼーサン=サーンスに備えて、モダンピアノ仕様?に変えておられました。このような凝った演出は初めてでした。

ドビュッシーのユリの庭という曲、良かったです。

他に、女性の作曲家でドビュッシーと同時代に生きた、メル・ボニ。この時代は優秀であっても、作曲の仕事は男性のみに限られていたのです。当時は偽名で作家活動に邁進していたものの、最近では忘れ去られていたと、プログラムにありました。このような埋もれた作品を取り上げてくださることも、カツァリス さんの心意気なのでしょう。

彼の演奏、考え方には、フランスのエスプリ(精神性)が溢れていると感じます。

私のお気に入りの指揮者の一人に、シャスランさんという方がおられます。この方も日本公演のときに、「フランスのエスプリをわかってもらえれば嬉しい」的なことを書かれておりました。

フランスの方は、自国の文化に誇りをもっておられるようです。今まで自分の血を意識しないで生きてきた私には、大いなる刺激となっています。