天空の縁側

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作曲家の目を通して、アートや日々の出来事などをあるがままに綴っていきます。

メナヘム=プレスラーさんのピアノ

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プレスラーさんのボザールトリオ(2008年に解散)

最近は夜になると、必ずプレスラーさんのピアノを聴きたくなってしまいます。中毒症状のようなものでしょうか?

↓のショパンのピアノコンチェルト2番、おそらく80歳になってからの演奏でしょう。彼は80歳になるまでソロ活動はやっていなかったと読んだ覚えがあります。それまでは室内楽が主たる活動であったと伺っております。

そのせいか、どうかわかりませんが、ピアノとオーケストラが溶けあい、一つの流れになっている。ピアノだけが突出していないのです。私の耳には、あまりに美しすぎて、いやなことも忘れてしまえるほどの演奏だと思っています。

ただ、聴きすぎては、夜更かしになってしまうのが悩みです。


Menahem Pressler - chopin piano concerto no 2 in f minor Hans Swarowsky

 

↓は一昨年の東京でのコンサートです。父が亡くなった年でして、この時期は相続のことなどで慌ただしすぎて、演奏会どころの騒ぎではありませんでした。しかし今は、インターネットという便利なものがありますので、遡って聴くこともできるのですね。

見ておられるとわかりますが、お一人では歩けません。ピアノの蓋が立ち上がるときの、支えになっているんですね。介助をなさっているのは、秘書の方のようです。

この年齢で、活動されている著名な演奏家はいます。私、聴きにいったことがありますが、全く弾けていませんでした。無理して暗譜で弾き、途中で忘れてしまったらしく、酷い出来でした。また、どういうわけか高齢になると、音符や休符の長さがいい加減になる。加えて独特のおかしなリズム感になってくる。

しかし、プレスラーさんのピアノを聴いていて、このようなことは感じませんし、逆に若者にはない独特の味が醸し出されていると思います。

余談になりますが・・・よく、フジコ=ヘミングさんのピアノは下手でどうしようもない、と感想を書かれている方がいますね?彼女は、若い時はお上手だったのだと思いますよ。でも80代。耳も不自由、環境も今まではよくなかった。その上で、ショパンやリストのエチュードを弾くことを要求されるのは、大変すぎます。楽器が未経験であれば、大変さがわかりませんから、下手の一言で片付けるんでしょうな・・・・

年齢を経ますと、体力もなくなり、集中することも難しくなってきます。本当の意味での強さが要求されるのでしょうね。ましてや、裏方ではなく、矢面に立つのだから、その緊張たるや大変なものなのでしょう。

私には到底無理な仕事です。

 


Menahem Pressler in Tokyo concert

 

↓は何かの演奏会のアンコールのようです。この曲をお子さんに弾かせて、アップしている方がいます。この曲、年端もいかない子どもに理解できるでしょうか?

別にお子さんの例だけではなく、完成度の高い演奏というのは、どういうものなのか?わかっている人々は少ないと感じます。音楽を頭で理解することと、感覚で理解することは別ものです。

これ以上は書きませんが、知ったかぶりをする音楽業界人には辟易しましたね。今後はおつきあいすることもありませんので、めでたしめでたしでした。

 


Menahem Pressler (92 years old) plays Chopin! 2015

 

↓は、ショパンのピアノコンチェルトの1番です。こちらも素晴らしいのですよ。


Chopin "Piano Concerto No 1" Menahem Pressler