天空の縁側

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作曲家の目を通して、アートや日々の出来事などをあるがままに綴っていきます。

ピアノデュオコンサート

6/2 表参道カワイパウゼで行われた、ピアノデュオコンサートを、拝聴させていただきました。このコンサートは国際ピアノデュオ協会30周年記念のコンサート。この協会は、亡き児玉デュオが立ち上げ、現在は作曲の峯村ご夫妻(ご夫妻とも元日大教授と伺っています。)がボランティアでピアノデュオの普及に努めておられます。

ipda-pianoduo.com


私は元々ピアノを専門に勉強しておりましたことから、ピアノ、ピアノ曲には格別の思い入れがあります。そのために以前から、ピアノ曲を手がけたいという思いがありました。しかし、ピアノ曲は楽譜が売れない、現状ではピアノの世界はあまり盛り上がっていない、継続的努力をするような子供が少なくなった...などなど様々な理由により、ほとんど書く機会に恵まれませんでした。

 

今回のコンサートに足を運んだ限りでは、ピアノ衰退の心配をする必要もないのでは?と思った次第です。当日は満員のお客さまで、しかも質の高い演奏にはダイレクトな反応がありました。ピアノという楽器は特殊な能力が必要ですから、誰でも簡単に弾けるようにはなりませんし、乗り越えられない壁的なものもあります。

 

今の義務教育では合唱が中心。こちらに向けて曲を書けば、多少は商売になると思っておられたようで、かつては全く合唱経験もない私も動員されていたことがありました。コンサートの主宰者である作曲の先生もお話されていたこと。

「自分の中にはないものでやるのは難しい。」

これはまさに的中している言葉でした。学校の音楽は自分の中には全くないものでしたので、8割がたうまくいかなかったと思います。現在はようやく、自分の中にあるものを生かして、やっていく時を得られたと思います。

 

さて、当日は連弾、ピアノ二重奏と、盛りだくさんのプログラムでした。ハチャトリアンの仮面舞踏会 ワルツやドビュッシーの小組曲ショパンのロンド(初めて聴きました)、バッハ、フランク、サンサーンス=ベートベンの主題によるバリエーション、映画音楽の作曲家ベネットのポピュラー系作品などでした。正統的な曲が多く、気持ちが安らいだと同時に、勉強になりました。

 

室内楽ですから、二人の息が合うことが大切なのです。休符があって、次に音が出るときのタイミング(アウフタクトなど)が難しいのではないか?と感じさせるグループもありました。これが合わないと、前のめりになって曲が進んで行きます。楽曲制作の折にも、デュオの場合は休符の置き場所に気をつける必要もあるんだろうなと思って聴いていました。

 

様々なタイミングを曲中に置くことによって、デュオの風景が広がります。

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他には、音色の変化。これはホールのせいなのか、ピアノのせいなのか、ピアノの技術面からくるものか?わかりませんが、フォルテが単一に聞こえるグループもありました。たとえば人間の表と裏を表現していると私が勝手に思っている「仮面舞踏会」。この楽曲などは、繰り返しの部分に何らかの色をつけて演奏してもらえればベストだったかもしれません。私は怪しく、毒々しい曲だと思っているのですが・・・

 

サンサーンスは面白く聴けました。オーケストラのさまざまな楽器があちこちで鳴っているように聴こえてきました。演奏者のお二人の息がぴったりとあっていて、間のとりかたも良く、安心して聴いてられました。加えて音色の変化にも気を配っておられるようで、フォルテがやかましいと感じることはなかったです。連打もぴったり合っており、奏者の方々の技術レベルの高さを感じました。

 

ショパンのロンドop73は、私にとってはお初の曲。初期の作品で、フンメル風でした。ピアノコンチェルトのほうが、フンメル風ではあってもよりこなれていると思いました。ショパンのピアニストとしての力量が存分に発揮された曲であり、ピアニスティックな設計が施されておりました。良い曲です。


♪ショパン:ロンド ハ長調 Op. 73 / サンソン・フランソワ (ピアノ),(ピエール・バルビゼ:第2ピアノ)

 

ソロより室内楽は、アラが目立ちやすくなります。それぞれの音楽性が評価される、ある意味怖い編成です。総会では先生方のお話に、「音楽の楽しみを」という表現が何度か出ましたが、実際の演奏では、奏者の方々は緊張の連続ではないかと思っています。

 

創作においては、連弾曲が難しいです。何か面白いことをやろうとしても、制限がかかります。二重奏であれば、自由に鍵盤を使うことができるため、だいぶ楽なのですが・・・

 

私ごとになりますが、今はピアノデュオ+声の曲を書いています。組織に頼らず、自分一人で作品を形にすることを考えています。会社を通して何かをするのであれば、「売れる」ことを考えなければいけませんが、自分一人でやるならば、自由にできます。経済のこと、社会のことなどをみていますと、今後はますます組織に頼らず、自分の力を磨くことが大切になると感じています。

 

全ての分野でそうなっていくのではないでしょうか?