天空の縁側

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作曲家の目を通して、アートや日々の出来事などをあるがままに綴っていきます。

ショパン「幻想即興曲」再現部とコーダ〜ピアノ曲 楽曲分析〜

mizuki-shiro.hatenablog.com

前回は、トリオ(上記のリンク)を分析いたしました。今回は再現部とコーダです。

再現部の2/3は提示部の繰り返しとなりますので、先に分析いたしました提示部のリンクを以下に貼って置きます。

mizuki-shiro.hatenablog.com

 

 

さて、再現部の終わりから、コーダにかけては、面白い展開がなされています。聴き流し、弾き流しているだけでは気づかない部分があります。統一材料である、属音と主音の関係オクターブ刺繍音的音型をみつめれば、タイトルの「幻想」とは別の世界を発見することができるでしょう。

再現部終わり(コーダへの接続)

接続1

 下記譜例14、3小節目からコーダへの接続が始まります。

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コーダへの接続1〜譜例14〜

赤の四角で囲んだ音、属音と主音(序奏と同じ音)が中心となり、展開されます。このあたりはパイプオルガンの響きのようにも感じます。オクターブ刺繍的倚音(2度)などの混沌の中で、暗闇の漁火のように、連打を含む音型が浮かび上がります。

詳細は下記譜例15をみてください。

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譜例14詳細〜譜例15〜

 譜例15譜例14の主となる音を提示したものです。つまり、属音-主音が鳴り響く中で、上声部のe-e-d-d-cisが、縮小模倣されつつ、(赤い点線の囲み)漁火のようにぽつぽつと浮かび上がるのです。

接続2

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接続2〜譜例16〜

接続1とは方法は違うものの、主張は変わりません。属音-主音は形を変えつつ、コーダまで持続します。特筆すべきは、e-cisの音型(オレンジ色で囲んだ音)です。2オクターブ下で模倣しあっていますが、やがて低音域にのみになり、コーダ前には、属音と主音の音型に打ち消されてしまいます。

こちらでは、下記譜例(トリオで提示)にあるような音列、音型がたくさん見受けられます。ショパンはバッハの作品に、学んだところも大きいのではないでしょうか?

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コーダ

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コーダ〜譜例17〜

コーダは同主調のcis-durに転調します。見ての通り、属音と主音の関係が主流をなしております。提示部でも記しました、オクターブ刺繍音的な音の使い方(黄緑色で囲んだ音)最後まで貫かれております。

音源


Katsaris Chopin Masterclass Vol.3 Fantaisie-Impromptu

 

 今回はカツァリス 氏の公開レッスンの模様を貼り付けました。オクターブを意識せよとの助言(メロディだけを響かせるのではない)が印象に残りました。何度も記しましたように、この楽曲は、オクターブが重要な材料の一つとなっているからです。

 

次回はベートーベンの月光ソナタか、ショパンの他の楽曲にアプローチする予定です。

 

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