今年はコロナの影響で約束をしていても予定通りスタートできないことがありますね。猫目石一家も同じでして、個人レッスンの依頼を受けて3ヶ月遅れの6月からのスタートとなっています。スタジオを借りてのレッスン予定でしたが、よく消毒できてなくてうつれば大変なことになりますので、おおいちょう(猫目石自宅)で、暫定的にレッスンしております。
さて・・・趣味で楽器を習うといっても、さまざまなレベルがありますね。
- おけいこごとの範囲で済ませたい
- 他人に聴いてもらうために、立派な演奏を目指している
- より高度なレベルまで、引き上げたい
- なんでもいいから楽器をかき鳴らしたい(ストレス解消)
猫目石一家では、趣味であってもより高いレベルまで引き上げたい できうる限り良き演奏を望んでいる・・・ などなど、向上心溢れる方は歓迎です。今までは間口を広くしてきたことが、教えることから撤退する原因であったと思います。ごくごく少人数で本当に勉強したい人に向けてのレッスンを続けていきますよ。こういうのって、深夜の猫族の集会のようですな・・・
さて、前置きはこのくらいにして、猫目石のレッスン、アドバイスの一部をご紹介いたします。
暗譜が不得意
第一に譜読みの方法を変えることです。一音一音しらみつぶしに拾い、センテンスとして捉えていないために、読譜も遅く、いつまでも覚えられないのではないでしょうか?できれば、最初から暗譜しつつ、前に進めていくことを推奨しております。
第二に曲の構造を知ることです。大抵覚えるのが苦手な方は、フレーズや転調など、全く意識せず弾いておられるようです。どこに区切りがあるか?文章と同じく、曲にも段落があります。段落の切れ目(フレーズ終わり)まで覚えて弾くこと。このような練習を積み重ねます。
そのためには、楽曲分析と理屈を耳に結びつける修練が大切と、猫目石は考えております。
楽曲分析には基本的知識が必要
楽曲分析を行うには、まず音楽の文法である楽典の知識が必要です。楽典も書籍を読み、覚えるだけではなく、音を出し聴くことを中心にレッスンを進めておりますよ。
楽典では、音程 音階 調性 転調などに関して、実際の楽曲を観つつ、進めます。われわれはそのためのピアノのレッスンと考えております。最終的には生徒さん独自のアレンジをやることになりますので、かっちりと曲を仕上げられなくても構わないと思っております。つまり、ピアノのレッスンは、曲を知ることによって引き出しを広げる目的ですね!
楽典を完璧にマスターした後、ハーモニー(和声)に入ります。こちらも音を出し(譜面を離れてピアノで弾く)、聴くことを中心に展開していきます。その後は対位法他についても、勉強し、だんだんと自分独自の分析ができるようになっていきます。
独自の分析=独自の演奏 創作につながっていくのです。
独学でやってきたが・・・
独学=音楽書を読むことと考えている方は多いでしょう。本を読む能力は必要ですが、音楽は感覚の世界ですので、耳の力がもっと大切です。耳の力=音をコピーする力ではなく、心の耳で判断する能力です。心の耳を育てるには、とにかくピアノで音を出し、聴くことです。
ここまで独学でできる方は、生まれもった何かがありますが、いかがなものでしょうか?
独学でやってきて、ご自身がどの立ち位置にいるかはわかりにくいでしょう。そのためには、一度、本格的に勉強したどなたかにみていただき、方向付けしていただくこともよろしいでしょうね。
西洋クラシックについては独学は難しいと思います。モーツアルトでさえ、師匠についたと言われています。天才でもないわれわれは、やはり、ご自分の求めているものと合致できる先生につくべきですね。
遅々として進まないのは・・
昔は全く気づかなかったことですが、教える側の意図が理解できず、そのままやりすごしてきた方も多々おられること。この原因は、基本の「き」をはしょってきているからです。たくさんの良き師匠についても、言われたことの本当の意味がよくわからず、言葉尻だけで判断してしまう・・・この繰り返しで長年過ぎてしまった・・ということでしょう。
音楽用語を例にあげれば、in tempo など。われわれは無意識に使っていますが、先生によっては全くお使いにならない方もいるのでしょうか?もしくは「in tempoってわかりますか?」と尋ねつつ、レッスンを進める先生ばかりではないのやもしれません。
この極めて簡単なことでもおろそかにしていれば、土台を作ることができません。一見つまらないことをいかに大切にできるか!
遅々として進まず、堂々巡りであれば、一旦今までの方法をリセットし、脳をリフレッシュすることです。このように記しますと大げさすぎるように思われるかもしれませんね。しかし、まっさらなご自分になり、一からスタートすれば、隠れた能力に気づかれるやもしれません。何事も原点回帰ですね!
レッスンについては今後も続けて、書いていきます。
ご質問があれば、↓までどうぞ。