天空の縁側

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作曲家の目を通して、アートや日々の出来事などをあるがままに綴っていきます。

基礎固め〜アレンジピアノ 

 

概略

昨年からアレンジピアノの個人レッスンを開始いたしました。ピアノを弾くことのみに特化するのではなく、ピアノを通じて、いかに表現活動できるかを重点に置いております。そのため、単に音を出して終わりといったレッスンではなく、音楽の基礎固めを重視しております。

 

過去に教えていたときも感じましたが、ピアノ指導をなさっている方々にはさまざまなレベルがあります。指を動かすことだけに特化したレッスンをなさっている方も多々おられるように感じました。われわれが常識と思っていたこと、たとえばバッハのインヴェンションにおいても、調性、転調、テーマなどには全く触れずにレッスンをされている方もおられるようです。

 

多くのレッスンでは、ショパンピアノ曲が好まれるようですが、当レッスンでは好む好まざるにかかわらず、バッハを推奨しております。ショパンもバッハから大きく影響を受けておることは、周知の事実。そのため、本家のバッハの楽曲からスタートすることが、音楽全般の基礎固めに良き結果を生むと思っております。バッハの楽曲は大概ポリフォニック(左手が伴奏、右手がメロディではない)ですので、左手右手を独立させる訓練にもなりますしね・・・

 それはともかくとして、基礎固めでわれわれが重視していることは以下の通りです。

 

 テンポ

音楽は時間の芸術です。同じ曲であってもテンポが違えば、異質の曲となります。指揮者になったつもりで、最初のテンポを生徒さんご自身が決めることにより、指の訓練ができていなくとも、無意識に音を流さなくなります。びっこのような弾き方で、この先どうなるのだろう?と思った方が、短期間ですらすらと弾けるようになった例もあります。拍を意識することにより、音楽は変化してきますね。

 

マインドフルネスに通じるものを感じます。マインドフルネスとは、まず呼吸に意識を向けることからのスタートです。拍を感じるのは、呼吸を意識するのと似ていますね?

 

調性(転調)

 調性を意識することは、その曲のもつ雰囲気、色を感じることであります。西洋クラシック音楽に限ってですが、その楽器にあった調性、その楽曲にあった調性があります。どうやって調性を決めるか?ということも、例としてバッハのインヴェンションなぞを勉強することにより、わかってきます!

 

転調に関しても意識することによって、全く音楽が変わります。しかも短期間で!とある生徒さんのお話では、「今までの(何十年も)レッスンでは調性や転調について習ったことはなかった。」と。

昔の人族、猫族であるわれわれにとっては、考えられないことでございます。教わって当たり前のことが、教えられていないなんて・・理解に苦しみます。

 

調性や転調がわからない方には、楽典の初歩からはじめております。その理由は、生徒さんとわれわれの意思の疎通を図るためでございます。だって・・・平行調とは、主音どうしが短3度の関係で結ばれているよ」といってもこの短3度が理解できなければ、お手上げ状態ですわね?ですから、音程を知り、(中学の音楽の時間でも教わった?)覚えることを最初の課題にしております。

 

よく、こんなことは本に書いてあるといって、楽典の本をしらみつぶしに読んでおる人族もおられますね?読んですぐにわかるならいいけど、たとえばぽーんとピアノの鍵盤を叩いて「これ何度?」ときかれて答えられなければ、意思の疎通にはなりませんよね?

 

そのため(しつこいですが)わからない人族の方々を、ピアノの鍵盤の前に誘導し、黒鍵と白鍵を睨んでいただき、レクチャーしておりますよ。要するに音を出す体験により、記憶が確かになるんですよ。われわれって、体験派なんですね。

 

次に・・・音階を指で覚えていただき、(弾いて聴く作業ですね)主要三和音と音階の構成音の関係についてもしつこくしつこくレクチャーいたしております。調に関することは、和声感覚がなければわからないからです。

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で〜

そんなことくらいでわかるようになるのか?と思われるでしょうけれどね、半年くらい経った頃から、雲をつかむような状態だった方が、調の分析をして、正確に書いてきてくださるようになりましたね。ご本人によれば、なんとなくわかるということです。このなんとなくという一言が大切。理屈をこねくり回しても、わかったことにはならないとわれわれは思います。

 

 

現在の生徒さんは、2声のバッハのインベンションをやり直してしているのですけれど、それは、調性感覚を養ったり、楽典や和声の理屈を本物の曲で理解し、引き出しを広げてもらうためです。アレンジピアノですから、最終的には、ご自身の編曲による自作自演を目標としています。

 

2ヶ月ほど前から、童謡などのメロディに、主要三和音のみでアレンジをして、譜面にしてきてもらう課題を出しています。これは、3和音だけでも退屈な音楽にはならないことを知ってもらうためでもあります。メロディに伴奏をつけるだけではなく、ポリフォニックなアレンジ、調性の変化なども加えて、今の能力だけで精一杯できるアレンジをやってもらっています。

 

 フレーズ

フレーズも最初から意識してもらっています。「どこまでを一息で歌うか?」とか、「どこまでが一区切りか?」ということですね。インヴェンションならば、テーマがどこまでか?このテーマにどんな対旋律がついているのか?その後の展開、転調までの経緯を示し、レクチャーいたします。すると、切ってはいけない場所で、切ることはなくなりますね。

フレーズを意識することも、ご自身がアレンジするときの力になります。他人の曲を知ることで自分の引き出しを大きくすることができるのです。

 

アレンジピアノ レッスンのご案内

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